最高の知識をネット上から集めて再配信するブログ

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。





週現スペシャル 大研究 遺伝するもの、しないもの【第1部】一覧表でまるわかり 
遺伝する才能、しない才能、微妙なもの

第1部 一覧表でまるわかり
遺伝する才能、しない才能、微妙なもの

「長生きする人、しない人」「頭のいい人、悪い人」
「足の速い人、遅い人」「意地悪な人、優しい人」ほか

ここまで遺伝するとは! ダメな親からはダメな子が生まれる?

この世に生まれるということは、一種の賭けだ。
容姿や頭脳、病気に才能……いまさら、どうにもできない? でもやっぱり気になる。
最新研究と知られざるエピソード、総力取材で100の疑問に答えよう。

人間の体を形作る、約60兆個の細胞。その一つ一つの中心に、
小さく折り畳まれ収まっているのが、われわれの「設計図」ともいうべき遺伝子だ。

「遺伝は、人間のあらゆる部分に関わっています。もちろん環境次第で
その現れ方には個人差が生じますが、体の特徴や病気だけでなく、
心の様々な働きも、遺伝によって左右されるのです」

こう語るのは、慶應義塾大学文学部教授で、遺伝と環境の関係を専門とする
安藤寿康氏である。近年、安藤氏の言葉を裏付けるような、
驚くべき研究成果が相次いで発表されている。

2010年に米国ニューヨーク州立大学で行われた研究では、
ある特定の型の遺伝子を持つ人に、不倫、そして「一夜限りの恋」の経験が多い
という結果が出た。実は、この遺伝子は、興奮や快感をもたらす脳内物質
「ドーパミン」に関係するもの。遺伝子のせいで、
思わず「不倫の快感」を求めてしまう-そんな人も世の中には確かに存在するというのだ。

「『体は遺伝だが、心は遺伝ではない』と考えたがる人は少なくありません。
しかし、心も脳の働きの表れである以上、顔つきが親に似るように、
親からの遺伝によって影響を受けるのは当然なのです。
たとえば、知的能力も遺伝の影響が大きい。
脳の中で知能に最も関係が深い前頭葉の表面積や厚さは、約80%は遺伝の影響を受けます。
環境に大きく左右される学童期の成績でさえ、
遺伝の影響がおよそ50%と最大の要因になっている。
どんな子でも勉強さえすれば東大に行けるかというと、
残念ながらそう甘くはないということです。

IQ、つまり分野を問わず頭を使うことの得意・不得意も、
およそ60%前後が遺伝の影響を受けると考えられています。
しかも、年齢を重ねるほど遺伝の影響は大きくなっていきます」

幼い頃は神童と呼ばれた人が、大人になるとすっかり
普通の人になってしまった、という話は珍しくない。
歳を重ねるにつれ、人は親から受け継いだ運命に沿って
生きるようになる、ということなのだろう。

「努力する才能」も遺伝する

 ただし、人間の遺伝子に書き込まれている遺伝情報を全て解読する「ヒトゲノム計画」が完了した現在でも、たとえば「数学が得意になる遺伝子」や「英語が得意になる遺伝子」が発見されているというわけではない。東京大学大学院教授で、分子生物学者の石浦章一氏がこう説明する。

「仮に、数学が得意な父親と苦手な母親の間に、数学が得意な息子が生まれたとしましょう。でも、コンピュータを使ってこの一家の遺伝子を詳細に調べても、父親と息子にあって母親にない遺伝子というのは、意外と見つからないんです。

 これは、頭のよさが数百、数千というたくさんの遺伝子の組み合わせによって決まるせいだと考えられます。ですから、特定の遺伝子が原因で起こる病気などと比べれば、後天的な要因も大きいのではないでしょうか。

 むしろ、一つのことをじっと考え続ける持続力や集中力などの能力が遺伝することの方が、学業には関係しているのかもしれません」

 たとえ知能そのものが完璧に遺伝するわけではないにしても、「辛抱強く勉強する才能」まで遺伝で決まってしまうのだとしたら—結局のところ、それすら持たない凡人には、逆転の余地はないのだろうか。

「芸術的才能は後天的なもの、つまり練習でなんとかなる。例えば、何年か音楽の勉強をした後では、脳の中の音を処理する部分が広がるということがわかっています。音痴の家系というのもまず見当たりません。

 それに、発想力も遺伝では決まらないといえるでしょう。一般的に、20~30代でピークを迎え、だんだんと衰えてゆくような能力は後天的に鍛えられるものだと考えられます」(石浦氏)

 事実、絶対音感は才能のあるなしにかかわらず、6~8歳頃までの訓練によって身につくか否かが決まるという。日本人には「勉強は努力、芸術は才能」というステレオタイプも根強い。だが専門家たちの意見を総合すると、どうやらこれは正反対—「勉強は才能、芸術は努力」と言ったほうが、遺伝的には実情に近いようである。
高木豊とその子どもたち

 学業以上に打ち込む人も多い、スポーツの場合はどうだろうか。こちらは「努力ではどうにもならない」などということでなければよいのだが……。

「一口に運動能力といっても、筋肉の質だけでなく、筋肉の付き方や骨格のほか、呼吸器と血管系、神経系の機能など、いくつもの要因が関係しています。ただ、スプリンター向き、持久力系競技向きという遺伝的な適性は確かにあります」

 こう語るのは、東京大学大学院教授で、日本の筋肉研究の第一人者である石井直方氏だ。

 人の筋肉は、縮む速度は速いがすぐに疲労する「速筋」と、逆に持久力はあるが縮む速度の遅い「遅筋」の2種類からなる。このどちらを多く持っているかによって、短距離型か長距離型かが生まれながらにして決まるというのである。

「実は、日本人の約3割は特殊な遺伝子を持っているせいで、速筋の収縮に必要なタンパク質を作ることができません。しかし、この遺伝子を持っている人は白人だと15%、アフリカ系黒人ではわずか3%以下。オリンピックの短距離系選手には一人もいなかったという研究報告もあるのです」(石井氏)

 一般に、パワーや瞬発力が求められる野球では速筋型のアスリートが、持久力が求められるサッカーでは遅筋型のアスリートが強いと言われる。

 しかし、この種目の壁を越えて活躍する親子がいる。横浜DeNAベイスターズ一軍チーフコーチを務める、高木豊氏とその子どもたちだ。高木氏の3人の息子は、それぞれ清水エスパルス、オランダ・FCユトレヒト、東京ヴェルディ1969と、全員がプロサッカーチームで活躍している。

「スポーツはまず足、スピードが大事です。息子たちはみんな足が速かったし、早くからスポーツに興味を示したので、それも遺伝だったのかなと思います。

 妻も短距離の選手だったせいか、長男は特にかけっこが好きでした。三男は、野球をやらせても抜群なんですよ。ミスもしないし、あいつの方が、僕なんかよりも柔らかさがある。思わず『野球やるか』と言ったこともあります」(高木氏)

 野球選手の父と短距離選手の母をもつ高木3兄弟の筋肉は、おそらく速筋型だと考えられる。なぜ、野球や短距離走より持久力の求められるサッカーで活躍できるのか。石井氏が言う。

「いま『遅筋を速筋に変えることはできないが、速筋は訓練次第でほぼ完璧な遅筋に変えられる』ということがわかってきています。

 つまり、生まれつき遅筋の多い人がいくら頑張ってもスプリンターになることは難しいですが、速筋の多い人は、トレーニング次第では優秀なマラソン選手にもなれるのです」

 最新の研究が明らかにしつつあるこの事実は、一般人にとっては単なる向き不向きの問題でしかないかもしれないが、一流のアスリートにとっては人生の明暗を分けるものだといえよう。

 そもそも、人間の身体的な特徴の中で、遺伝するかどうか微妙なものはあっても、遺伝が全く関係ないというものはほとんど存在しないようだ。意外にも右利き・左利きやつむじの右巻き・左巻きは遺伝しないことがわかっているが、こうしたケースはまれで「これは遺伝ではない」と断言できるものは極めて少ない。

「身長や体重はとても遺伝の影響が強く、特に身長は9割が遺伝の影響といわれます。足の長さも8~9割が遺伝で決まります。

 体型は全般的に遺伝の影響が強い。一卵性双生児の調査では、最大体重、つまりどこまで太れるかということが遺伝的に決まっているのではないかという調査結果が出ています。

 また、体臭やハゲるかどうか、女性の場合は胸の大きさ、初潮の時期といったホルモンの関係することがらにも、遺伝が強く影響しています。

 顔の大きさ、頭囲も非常に遺伝しやすいものの一つです。しかし、目鼻立ちに関しては、それぞれのパーツが父親に似るか母親に似るかは五分五分ですから、顔全体が父親似・母親似というのは確率論に過ぎませんし、まったく似ていない兄弟が生まれることもあります」(石川県立看護大学教授・大木秀一氏)

 いま海外では、自分の遺伝的特徴を、唾液などを採取して送るだけでくまなく調べることができる「遺伝子検査」サービスが人気を集めている。米国を代表する遺伝子検査企業「23andMe」では、170種類の病気に加えて、肥満やハゲの可能性など57種にも及ぶ検査項目を用意している。同社の社名は、人間の遺伝子が23対46本の染色体からなることに由来するという。広報担当者が答える。

「一回99ドルを払って検査を受ければ、われわれの持つ20万人以上のデータとあなたの遺伝子を比較し、遺伝的特性や病気へのかかりやすさを調べることができます。当社の検査の結果、がんになりやすい、太りやすいといった悪い知らせを受けた方には、食生活を変えたり運動を始めたりするなど、前向きな反応をする方が多いですよ」

 詳しくは第2部で解説するが、すでに人間の遺伝情報全てが解析されているいま、あらゆる病気や身体的特徴について遺伝との関連性が研究され、そのリスクが弾き出されつつある。人一人の遺伝子全体を調べるには数百万円以上の費用が必要になるため、まだ個人向けには実施されていないが、技術的にはもはや「全遺伝子の検査」が可能な時代になっているのだ。

 自分は将来、いったいどんな病気にかかり、どんな苦労に見舞われるのか。そして、どこまで生きられるのか—あと数年もすれば、誰もが自分の体の行く末を事細かに知っているのが当たり前になるかもしれない。

「人間の寿命にも、当然遺伝的要因があります。寿命を決めるのは、食生活か、運動の習慣か、それとも学歴か、さまざまな研究がなされました。しかし最終的には、『親の寿命』が最大の要因だということがわかったのです。もちろんこれは、単に遺伝だけが理由ではなく、生活習慣を受け継いでいるせいかもしれません。それでもこの研究結果は、寿命に関しても遺伝が大きく関係していることを裏付けているといえるでしょう」(前出・石浦氏)

 ただ、「23andMe」などが提供する検査では、まだカバーされていない分野もある。冒頭でも触れた「心はどこまで遺伝するのか」という問題である。

 実は、冒頭で「不倫の遺伝子」として紹介したドーパミン受容体遺伝子は、好奇心や冒険心を司る遺伝子でもあるという説がある。

「同じ『向こう見ず』でも、例えばバンジージャンプに進んで挑戦するようなタイプにはドーパミンが、自分の損害を顧みないタイプにはセロトニン(鎮静作用をもつ脳内物質)が関係するといいます。遺伝の影響は3~4割程度とみられます。

 一方で酒やタバコ、ギャンブルにのめりこむのは、いずれも依存傾向の現れで、同じ遺伝子が関係しているのではないかと考えられています。これも、遺伝の影響は3~4割です。さらに窃盗や器物破損、家出などの行動にも、約3~5割の遺伝による影響がみられるとの研究があります。

 性欲に関しては、特定の原因遺伝子はまだ見つかっていませんが、同性愛や性同一性障害の遺伝的影響も研究されています。おそらくこれらの根本にも遺伝的な要因があると考えられますが、社会的・宗教的制約も関係しているでしょう」(前出・安藤氏)

 人間の性格は、主観的にしか分類できないうえ、遺伝的にみても多くの遺伝子が複雑に絡み合い成り立っている。心と遺伝子の関係が全て解き明かされるまでには、まだもう少し時間がかかるだろう。

 いま、次々と暴かれてゆく遺伝子の謎。もちろん、運命は努力や環境で変えることもできる。だが、自分の中の何が遺伝し、何がしないのかを詳しく知っておくことは、決して無駄にはならないはずである。




img_d9ef848850cd3491ab5112e37bf9284c536293.gif
img_20d3449ccf16a73b1ca4864fc007ad60523636.gif




コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://supreme2006.blog81.fc2.com/tb.php/447-e005dd4a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

無料カウンター

 あああ