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(1).経済を徹底的に重視し、政治を軽視する。
(2).アナーキズムと紙一重である。政府や国家を可能な限り否定する。あるいは、最小限国家(夜警国家)論に立つ。国家は外交と国防と犯罪取締りだけを行えばいい。それも最小限度に。
(3).国際関係においては、アイソレーショニズムである。あらゆる国との同盟条約を嫌い、警戒心を持つ。したがって国内問題重視の単独主義である。
(4).個人主義、反集団である。集団や政党を作ること自体を嫌う。したがって、自分達の党も作らない。地域共同体は認めるが、究極的には否定。道路も橋も自分で造り、管理すべきだと主張。
(5).個人生活(私生活)に国家が干渉することに反対する。中絶問題では、プロチョイス派である。女性の選択の自由を認め、中絶を個人の問題とする。ここで、プロライフ派のレリジャスライトおよびニューライトと保守派内で意見が対立する。
(6).反税金、とにかく強固にアンタイタックセイションである。したがって、反福祉国家論である。国家は個人の生活に干渉すべきでなく、勝手に課税することも許さない。したがって、社会福祉政策あるいはWelfareStateを否定する。自助努力である。
(7).反軍備拡張。強固な反共産主義であったが、軍備の拡張には反対。(3)の不干渉主義のために、軍備の海外派遣駐留にも反対する。反戦を主張する。
(8).したがって、敵が攻めてきたら、自分を守るために自分のライフルで戦う。NRA全米ライフル協会は、この思想によって憲法上の権利として銃の保有を主張している。 NRAは巨大組織であり、ガンコントロール派と戦っている。
(9).共和党内の主流派の保守主義者たちの特権的なTraditional conservativeに対して懐疑的、批判的である。リバータリアンは、庶民の保守派である。
(10).陰謀説を内心でとる者が多い。しかし、極右派のように激しくはない。アンチセミティズムはとらない。なぜならリバータリアン知識人の中にもユダヤ系が多い。
(11)平等主義よりも、人間の能力には生まれながらに差があるとして、反平等主義の思想である社会ダーウィン主義 Social Dawinismを信じている人が多い。この意味では、信仰(宗教)的でない。政治思想としては、ベンサム主義Benthamiteであるから、"ポジティヴ・ロー"positive law(法人定主義)の立場に立つ。私的な契約contractだけでよしとし、社会契約説social contractを否定する。したがって、議会が次々と山のように作る法律によって自分たちの自由な契約が規制されてゆくことに、強く反対する。これは (2)の反政府・反国家の理念につながる。
(12)わかりやすく言えば、西部劇のヒーロー、ジョン・ウェインのイメージを描くとよい。あるいはクリント・イーストウッドの、悪をたたきのめす強い男のイメージである。個人的英雄主義。西部のカウボーイのマッチョ主義。西部開拓農民(パイオニア)の独立独歩の精神、自己責任主義。人の助けを借りずに、自分と家族だけで真面目に働いて生活してゆく。
(13)現実的には、国に税金を納めたくない独立自営の商店主small business ownerたちの生活意識を反映する。したがって、従業員のための健康保険掛け金まで雇用者である自分たちが払う健康保険法Health Care Billに反対した。それは増税と同じだからだ。
(14)リバータリアニズムは、1950年代にアイン・ランド女史が、あるべき人間像や社会像を小説や評論文の形で提起した。やがてそれが明確な政治思想の形をとり、共和党の保守的な人々の中でも最もアメリカ人臭い人々の間に広がった。1964年の共和党大統領候補バリー・ゴールドウォーター上院議員をアイン・ランド女史が支持表明したときに、政治勢力として登場した。したがって、共和党主流派の実務エリート官僚層や議会政治家たちに対する反発を暗に秘めている。リバータリアンの中には、共和党支持をやめて、すでに党外に出た人々も多い。漠然とではあるが、現在、アメリカ保守派の中の大きな勢力となっている。この漠然としているところが特徴でもある。
(15)実はアイン・ランド女史の思想は、日本で言えば、ニーチェの思想が果たした役割に似ている。日本でも、強固に個人主義的で、決して社会主義思想になどかぶれなかった人々がいたが、それに近い。ニーチェの強烈な思想のアメリカ版と考えてよい。アイン・ランド自身は、ニーチェは嫌いだと表明したことがある。
(16)ある意味では、最もアメリカの伝統に根ざした、土俗的な根本保守派である。
(17)1960年代に「反福祉・反国家統制・反平等主義」を主張して登場したシカゴ学派の"マネタリスト"ミルトン・フリードマン教授の"小さな政府"small Government理論は、リバータリアン思想の経済学の場面を完成させたものであると言ってよい。フリードマンの先生のハイエクの古典的自由主義 Classical Liberalismもリバータリアニズム形成に影響を与えた。
(18)1991年湾岸戦争の時、ブッシュ大統領に反対して「若い米兵たちを石油利権のために死なせるな」として派兵反対・開戦反対を唱え、後に92年と96年の大統領選挙に出馬した政治評論家パット・ブキャナン自身は、もともと保守本流であってリバータリアンではなく、アイソレーショニストである。最近ブキャナンは、国際ビジネスを認めるリバータリアンに対して「リバータリアンもグローバリストだ」と言い放った。ブキャナンは自分の思想を「エコノミック・ナショナリズム」(経済民族主義)と自己規定した。リバータリアニズムは反ナショナリズムである。
(19)ブッシュ大統領は、1991年の湾岸戦争を、アメリカおよびAllied Forces(同盟軍。日本ではなぜか「多国籍軍」と記している)の大勝で終わらせて支持率を上げたが、大方の予想を裏切って、翌年末の第2期めの大統領選挙に敗れた。国内の経済間題(不況と失業)対策に失敗したために、国民から失格の審判を下された。アメリカ国民は本当は「内向き」になっており、このアメリカ国展の「内向き」(国内間題重視、不干渉主義)の大きな傾向を支えている政治思想が、リバータリアニズムである。リバータリアンは「右派平和主義者」Right-Wing Doveである。
(20)一応アンチ・グローバリズムanti-glovalismであり、アンチ・エクスパンショニズムanti -expansionismである。リバータリアンは戦争に反対である。アメリカがすぐに海外に派兵し、戦争を始めようとする真の動機は、世界中に進出しているアメリカの大企業の権益や財産を守ろうとするためであると考える。したがって、国際化した大企業経営者層のために自分たちの生命・財産が利用されることに反対する。
戦争経済(ウォー・エコノミー)に突入する日本―見せかけの「景気回復」の陰で国が企んでいること 戦争経済(ウォー・エコノミー)に突入する日本―見せかけの「景気回復」の陰で国が企んでいること
副島 隆彦 (2006/09)
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